2020年3月、2回目となる小笠原への旅に行ってきました
初めて行ったのは約3年前ですが、そこですっかり小笠原のファンになってしまいました
船に揺られて24時間、世界自然遺産、小笠原諸島の父島、母島を堪能してきたので、その体験をシェアします
この前編では、小笠原諸島への行き方、そして母島についてご紹介します
一般的な小笠原観光の中心となっている父島については、後編でご紹介しています
なお、小笠原観光に共通する事項について、後編の中で触れている部分もあるので、母島だけ観光するという方も、後編を併せて読んでいただけると幸いです
ざっくり小笠原について
- 東京港から約1000キロ離れた太平洋に浮かぶ南の島で、主な島は玄関口となる父島と隣の母島
- 片道24時間かけて船(おがさわら丸)で行くしかない
- 出航日がおよそ週1便の定期便に限られているので、行って帰ってくるには最低(1航海)で5泊6日必要
- より長く滞在するなら2航海(12日間)、3航海(18日間)と船の日程に合わせてスケジュールを組むことになる
- 世界自然遺産にもなっている美しくてワイルドな自然以外はほとんど何もない
- それでも、自然が大好きな人なら一度は行きたくなる、一度行くとまた行きたくなる、魅力溢れる南の島のパラダイス
- 世界中探してもそんなにないんじゃないかなっていうくらいの美しい海とそこで暮らす野生の生き物たち、希少生物の宝庫となっている森、ゆったりした島時間、あたたかいおもてなし、、、心が解放されて本来の自分を取り戻すことができる秘境
- 行政区としては東京都だが、昔から様々な国の人々が移住してきており、太平洋戦後はアメリカに統治されて1968年に日本に返還された歴史もあり、ボニンカルチャーと呼ばれる独特の文化がある別世界
父島へ〜片道24時間の船旅
チケット購入
おがさわら丸に乗るためのチケットの予約・購入は、電話、窓口、旅行会社経由、それに当日購入もできますが、運行会社である小笠原海運のホームページからネットで購入すると5%割引になるのでおすすめです
簡単な無料会員登録手続きをすれば、2ヶ月前から購入できます
それと、一航海のスケジュールで行くなら、宿とセットの「おがまるパック」を利用すると少しお得なことがあるようです
僕は2航海のスケジュールだったので、普通にネットで購入して、宿は個別に予約しました
船、滞在中の宿とツアーを全てパックで手配してくれる旅行会社もありますので、楽をしたい方はその方法もありです
小笠原の宿は満室になることが多いですし、小笠原に到着した時に宿の人が出迎えにきてくれて、荷物とともに宿まで車で送迎してくれるスタイルなので、泊まるところは事前に予約しておいた方がいいです
特に母島は宿も少ないので、事前予約必須です
ちなみに小笠原では全面キャンプ禁止です
おがさわら丸の船室は、個室になっている特等室、特1等室、1等室、相部屋になっている特2等寝台、2等寝台、2等和室と、ランクが分かれています
僕は、今回は一番安い2等和室にしましたが、それでもネット割料金片道23,140円(通常料金24,350円)と、結構な金額になります
料金は時期によって変わりますが、2020年4月を例にして小笠原海運のホームページから引用すると、ネット割料金と通常料金は下記のとおりでした(カッコ内が通常料金)
- 2等和室 ¥23,140(¥24,350)
- 2等寝台 ¥26,360(¥27,740)
- 特2等寝台 ¥34,990(¥36,830)
- 1等室 ¥48,440(¥50,990)
- 特1等室 ¥62,470(¥65,750)
- 特別室 ¥68,950(¥72,570)
2等和室は、マットレス、枕、シーツと枕カバーが用意されており、頭の部分にだけ隣との仕切りがある大部屋です
新型コロナウイルスの影響のためか、乗客は少なかったので、隣も二つ三つ空きがありましたし、反対側もすいていたので、狭苦しい感じはありませんでした
雑魚寝が苦手な人や混み合う真夏のピークシーズンだと、2等寝台以上にした方が落ち着くかもしれません
前回は2等寝台を利用しましたが、僕的には十分快適でした
相部屋には女性専用のレディースルームもあります
運行スケジュール、運賃、チケット購入、乗船案内、お得情報、船室の様子など、詳細は小笠原海運のホームページに載っています
小笠原海運のホームページへのリンクはこちら
乗船までの流れ
ネット予約すると、メールで搭乗券引換書が送られてくるので、事前に印刷して、当日、東京港竹芝客船ターミナルのチェックインカウンターに持っていって受付すると搭乗券と交換してもらえます
小笠原海運のホームページによると、乗船場所の東京港竹芝旅客ターミナルヘのアクセスは以下のとおりとなっています
- JR浜松町駅北口下車徒歩約7分
- 東京臨海新交通「ゆりかもめ」竹芝駅より徒歩約1分
- 地下鉄大門駅下車徒歩約8分
- 羽田空港より東京モノレール終点浜松町駅下車徒歩約10分
出航時刻は午前11時で、受付時間は午前9時30分から午前10時40分までなので、その間に受付できるように行ってくださいね
受付を終わったら奥の待機所で待ち、乗船のアナウンスに従って乗船します
ターミナル内には小さな売店があり、お菓子やお弁当も売っています
船内での過ごし方
僕のおすすめの過ごし方
小笠原への長い旅では、船に乗っている時間も大きな楽しみの一つです
① 僕のおすすめの一つは、屋外デッキで大自然を感じる時間を過ごすことです
船から眺める大空と大海原の景色、海に沈む夕陽、満天の星空、海から昇る朝陽。。。ほんと最高なんですよねー
今回は風が強く、天候のコンディションが良くなくて残念でしたが、前回はパワー全開の素晴らしい夕陽と朝陽をじっくりと拝むことができました
船内に日没時刻と日の出時刻が表示されているので、その時間の少し前からデッキに出て、感動的な光景を味わえると最高です
それ以外の時間帯も、気持ちいい潮風を全身で浴びながら、日光浴をしたり、読書をしたり、イルカや鯨を探したり、瞑想したり、、、普段味わえないような特別な時間を過ごすことができます
ちなみに、夜の22時から未明頃までは、安全のため屋外デッキに出ることは禁止されていますが、22時までは外に出られるので、天気が良ければ満天の星空が見られます
乗客が行けるエリアは2階から8階まであって、屋外デッキは6階、7階、8階にあります
夕陽や朝陽は6階、7階が見やすいですが、8階は屋上デッキになっていて、日光浴をしたり星空を見たりするのには最高です
② おすすめの2つ目は、新しい出会いを楽しむことです
こんなにアクセスの大変な小笠原へ行く人たちって、やっぱりちょっとユニークな人が多くて、同じ匂いがするというか、価値観や波長の合う人に出会う確率が高い気がするのです
屋外デッキやラウンジなどで近くにいる人とちょっとしたきっかけで会話をしてみると、共通の関心事があったり、意外と話が弾んだりして結構面白いですよ
狭い島であることもあって、出会う人とはそのあと何度も顔を合わせます
その都度旅の情報交換ができるのもメリットです
とにかく、心をオープンにして、気軽にコミュニケーションを楽しむのが小笠原の旅の醍醐味だと思います
そして、一人でも複数でも、船内でゆっくり過ごすなら、「展望ラウンジHaha-jima」がおすすめです
7階にあって、窓から外の風景が見えるし、軽い飲食ならここで足りるので、外が寒くなったら、ずっとここで過ごしていてもいいくらいです
窓際はカウンター席になっていて、所々コンセントもありますし、ボックス席も窓の方を向けて設置してあります
展望ラウンジHaha-jimaは、座席数が76席と限られているので、最初に整理券のようなものが配布されますが、すぐに配り終わってしまいます
確実に座りたい人は「これから配布します」という船内放送があった時にすぐ指定された場所へ行って整理券をもらった方がいいと思いますが、今回はそんなに混んでいなかったためか、一人二人ならいつでも座れる感じでした
ボックス席に相席で座るのも、人との出会いにつながって面白いと思いますよ
船酔いが心配な人は、事前に酔い止め薬を準備してください
船内の売店にあるのは酔い止めドロップだけで、本当の酔い止め薬は売っていません
東京湾の中にいるうちはあまり揺れませんが、太平洋に出ると、天候によってはかなり揺れます
酔わないためには、屋外に出たりして、遠くの景色を眺めているのがいいのですが、今回はうねりと風が強くて外にいられない状態で、途中で船外に出るのが禁止されるくらいだったので、僕は完全に船酔いにやられて、ヘロヘロでした
船内での飲食
船内には、「展望ラウンジHaha-jima」の他に、「レストランChichi-jima」、売店「ショップドルフィン」があり、自動販売機コーナーもあるので、飲食には困りません
利用していないのでなんとも言えませんが、他に「ミニサロン南島」というのもあります
なお、船内では、交通系電子マネーは使えましたが、クレジットカードは使えませんでした
売店ショップドルフィンには、お菓子や飲み物のほか、カップ麺や冷凍食品、日用品やお土産もあり、電子レンジも店内にありました
レストランChichi-jimaは、ラーメン、カレーライス、オムライスなどの定番も美味しかったし、他にも豊富なメニューがありました
朝食は、和定食か洋定食を選ぶ形です(いずれも500円)。それに好みの小皿を追加できます
展望ラウンジHaha-jimaも、軽食・スナック類、デザート類がいろいろあって、気になるものを飲み食いしながら過ごすのも楽しかったです
寝起きその他
寝起きの時間は自由ですが、夜は22時に消灯(朝の点灯は6時)なので、消灯の後はみなさん静かに寝ていたようです
各階に1〜2箇所ずつ、共同のトイレとシャワー室、更衣室があります
トイレの数は十分にありましたし、シャワー室は24時間使用できて、シャンプーとボディソープが備え付けられていました
個室にはアメニティが揃っていますが、相部屋にはアメニティはないので、歯ブラシやタオルなどの必要なものは自分で用意してくださいね
その他、キッズルーム、授乳室、ペットルーム、ロッカー、両替機、公衆電話(太平洋の上では電波が通じないので衛星電話)、喫煙室、観光情報ブースなどがあります
ちなみにWi-Fiはありません
船内設備などの詳細は、船内の案内所に聞くと親切に教えてくれます
観光情報ブースの冊子類には、1度目を通しておくと新たな現地情報が手に入って役に立つかもしれません
なお、現地でのツアーに参加する方が多いと思いますが、よく満員になるので、少なくとも到着した日のツアーは事前に申し込んでおいた方がいいと思います
おがさわら丸で何度も聞こえてくるのが、小笠原のシンガーOkeiさんの歌声
下にリンクを載せたOkeiさんのオフィシャルサイトでYouTubeに上がっている曲が聴けるので、覚えておくとより楽しめます
ちなみに僕は、前回の父島滞在中、同宿の人と一緒に2、3曲ウクレレの弾き語りを練習しました
何もないのが魅力の母島
小笠原へ行く人の大部分は一航海の日程ですが、その場合現地で丸々使えるのは2日間だけなので、ほとんどの人は父島で過ごして終わりで、母島へ行く人は少ないようです
僕は今回2航海の日程で小笠原に行き、初めて母島を訪れて3泊しましたので、その体験をシェアします
なお、小笠原、とりわけ母島は、貴重な固有種を保護する必要性が高い場所なので、外来種の侵入や自然環境破壊をもたらさないよう、十分気をつけて訪れましょう
母島へ更に船旅
おがさわら丸が、「おかえりなさーい」という小笠原特有の盛大な歓迎を受けて父島の玄関口二見港に到着したのが午前11時
父島と母島を結ぶ唯一の交通機関は「ははじま丸」
すでにすぐ隣に停泊していました
はじま丸の直近の出航時刻は1時間後の12時で、そこから2時間の船旅で約59キロメートル離れた母島へ渡ります
ははじま丸の船内には食事を買うような施設がないということなので、ははじま丸の船客待合所の前で販売されていたお弁当をゲット
ははじま丸の乗船券は、予約不可(満員になることはないので予約の必要もない)ですが、念のため竹芝旅客ターミナルで事前に搭乗引換券を買っておいたので、ここでは乗船券に交換してもらうだけでした
料金は時期によって若干変わりますが、この3月の時点では片道4480円
運行スケジュールも時期によってまちまちなので、ははじま丸を運行する伊豆諸島開発株式会社のホームページで確認してくださいね
おがさわら丸を横目に見ながら出航し、2時間の船旅の間は、まず屋外デッキでお弁当を食べて、それからしばらく海を眺め、鯨の潮吹きを目撃
そのあとは、船酔いの影響もあって疲れ切っていたので、室内の椅子席でリクライニングを倒して一眠りしました
屋上デッキでは、ガイドさんによる無料の説明会が行われていましたが、残念ながら最後の5分くらいしか聞けませんでした
ボニンブルーと呼ばれる濃い青色の海を見ながら、母島の玄関口沖港に到着したのが14時頃でした
おがさわら丸を見つつ出航 おがさわら丸の勇姿 ははじま丸の外部デッキ ははじま丸の屋上デッキ 母島の玄関口沖港 ははじま丸 ボニンブルーと呼ばれる独特の碧い海が広がっている
母島の遊び方
母島は、人口約500人で、父島にも増して素朴な島なので、ただただ美しい自然を全身で感じてのんびりしたいなと思っていました
そのため特にアクティビティ的なことは決めずにノープランで行き、結局ツアーなどには参加せずに、歩いて回れる範囲内で、のんびり過ごしました
母島で必要な情報を見るには、小笠原母島観光協会のホームページが便利です
また、持ち歩くものとしては「母島ガイドマップ」という地図入りのガイドマップが使いやすいので、おがさわら丸の中でもらって見ておくといいと思います
小笠原母島観光協会のホームページはこちら。見所や移動手段、宿泊や飲食、島の歴史や文化などの必要な情報が詰まっています
母島でやることをざっくりいうと
- ビーチへ行ってシュノーケリングなどをして海やその生き物たちと遊ぶ
- 船を使って沖に出て、ダイビング、シュノーケリング、釣りなど、海のアクティビティーを楽しむ
- 陸を歩いて豊かな自然、美しい景色、貴重な動植物と遊ぶ
- 集落や戦跡をめぐって歴史や文化に触れる
といった楽しみがあると思います
海や陸のガイドツアーもあるので、うまく活用すると効率的に楽しめると思います
ツアーの内容はダイビングやフィッシング、クルージング、トレッキングや島巡り、ナイトツアーなど様々、時間も2、3時間のものから丸一日のものまで、色々頼めるみたいです
ただし、母島のガイドさんは他の仕事も兼業なので、事前に予約が必要だそうです
自分の足と自分のペースでのんびり楽しみたいのであれば、ガイドツアーは抑えめにして、徒歩やレンタバイク、有償運送などで行きたいところへ行ってじっくり遊ぶ時間をたくさんとるのがいいと思います
小笠原母島観光協会のホームページには詳細な見どころ案内やツアー業者の紹介があり、母島に何日いるかに応じて、またアクティブに動くかのんびりするかに応じて、おすすめモデルコースを何パターンか紹介されているので、旅のスケジュールを決めるときに参考になると思います
ここでも、母島の全体像がわかるように、同協会の許可を得て、ホームページに載っている母島全体マップの写真を転載しておきます
なお、小笠原母島観光協会のホームページなどを読んで、僕が注意しておいた方がいいなと感じたことを挙げると以下のとおりです
- 母島は周囲約58キロの広さがありますが、公共交通機関とレンタサイクルはないので、移動手段は、ツアーで連れていってもらうか、徒歩、レンタカー、レンタバイク、あるいは有償運送と呼ばれる乗合タクシーを頼むことになる
- 商店は集落に3店舗だけ、飲食店やお弁当屋は集落に数軒しかないし、これらはいつも営業しているわけではないので、朝晩の食事は宿で取り、昼食は宿でおにぎりやお弁当を作ってもらうのが便利。外で調達するなら事前に営業の確認や予約を!
- 携帯電話の電波は集落を離れると通じなくなるので注意
- 薬局はない
- クレジットカードを使えるところは限られている(ATMはある)
サンセットシアター
ここからは、僕が実際に行った場所をご紹介します
母島に到着したのは14時で、宿(クラフトイン・ラ・メーフ)のスタッフの出迎えを受けて宿に入りました
港から宿までは歩いてもすぐですが、荷物とともに車で送迎してくれました
宿で受付手続きをしてから、部屋で一休みしたら、夕方になってきたので、海に沈む夕陽を観に行くことにしました
歩いてすぐの鮫ヶ崎展望台が夕陽ポイントで、その時間帯にちょうど無料ガイドが解説してくれているということをははじま丸の上で聞いていたので、そこに行こうと思って出かけました
しかし、そこへ向かう脇道の入り口を見逃してしまい、そのまま車道を歩いて行ったら、10分も歩かないくらいで「サンセットシアター」と呼ばれる別の夕陽ポイントに出ました
ほとんど人のいない静かな場所で、壮大な夕暮れを見ることができて感動でした
僕は車道脇に座って見ましたが、すぐ後ろの土手に上がって見ている人がいましたし、ちょっと後ろの森に入ったところにある「静沢の森遊歩道」からも見えるかもしれないです
Google マップだと、サンセットシアターのすぐ近くに「静沢の森遊歩道」が表示されているので、その場所を示した地図を載せます
鮫ヶ崎展望台
着いた日の夜は、星空を見に出かけました
ガイドマップなどによると、「旧ヘリポート」と呼ばれるところが名所らしいのですが、少し遠いので、まずは近くの防波堤に行ってみました
しかし、燈台の明かりが結構強くて星が見えにくかったので、「灯台下暗し」ということわざが本当かどうか確かめに灯台のすぐ下まで行ってみましたが、さほど暗くはありませんでした(笑)
それで、夕陽を身損ねた鮫ヶ崎展望台まで行ってみたら、ここはなかなかよくって、綺麗な星空が見えました
なお、翌日の夕暮れ時にも鮫ヶ崎展望台に行って、海に沈む夕陽を見ました
これも綺麗でしたし、近くを泳ぐ鯨の姿が見えたりして、贅沢な時間を過ごしました
脇浜なぎさ公園
次の日は、午前中から、宿から歩いてすぐにある「脇浜なぎさ公園」のビーチに行って泳ぎました
そこへ行く道の途中に「ダイブリゾート母島」というダイビングショップがあるので、そこでシュノーケリングの4点セットを借りました(料金は1日2500円)
お店の人から、「ここはダイビングの聖地なのにダイビングしないの?」みたいなことを言われましたが、僕は体験ダイビングをしたことがあるだけでスクーバダイビングのライセンスを持っていないし、シュノーケリングで十分楽しめると思っていたので、シュノーケリングだけにしました
さてこのビーチ、防波堤に守られていて穏やかですし、綺麗な熱帯魚もいて楽しいのですが、体調1〜2メートルくらいの大きな鮫(ネムリブカ)がウジャウジャいて少し怖かったです
通りがかりの地元の人に聞くと、彼らはここに住み着いているらしく、何十年か見ているけれども、人が襲われたなどのトラブルは一度もなかったというので、少し安心して泳げました
夜はサメらしく泳いで魚を食べるようですが、昼間はのんびりしていて、こちらから挑発しなければ人を襲うことはないようです
南の島の綺麗なビーチで、泳いだり、昼寝したり、持参したウクレレを弾いたりして過ごすゆるーい時間は、最高に幸せでした!
鮫がウジャウジャ
御幸之浜・御幸之浜園地展望所
その後、宿から歩いて30分くらいのところにある御幸之浜へ向かいました
御幸之浜へ行く途中、案内表示が目に入らなくて、道に迷いかけましたが、近くを歩いている人に親切に教えてもらい、スムーズに行くことができました
最後の方は、タマナ並木や南国の木々に囲まれた素敵な小道のハイキングとなり、とても気持ちよかったです
貨幣石のある岸壁
しかしここは想像していたのと違って、石ころと岩の小さな海岸でしたし、この時は結構波があったので、泳ぐのはやめておきました
ここは、1927年に昭和天皇が小笠原諸島行幸をされたときに生物採取をされたことから、御幸之浜という名前がついたそうです
この海岸では、貨幣石という有孔虫の珍しい化石が見られます
貨幣石は、今から約6000万年前の大型の有孔虫の化石で、直径3〜6cmの丸く扁平な形が貨幣に似ているため「貨幣石」と呼ばれているそうです
そこで次に御幸之浜からさらに奥へ歩いたところにある南京浜へ向かったのですが、その途中にとても景色のいい展望台がありました。そこが御幸之浜園地展望所でした
事前には知らなかったので、いいところを見つけたことでテンション上がりました
ここはホエールウォッチングポイントの一つらしく、展望台から海を見ていると、ザトウクジラが2頭、潮を吹いたり海面に姿を見せたりしているのが見えました
それと、展望台から見下ろす海の色がとっても綺麗で感激しました
しばらく、そこに寝転がったりして居心地の良さを堪能でき、幸せな時間でした
こういう、何をするでもない、ただ気持ち良さを感じるだけの時間が、自由な旅の醍醐味の一つなんですよねー
この沖の方に鯨がいました 南京浜が見えた
南京浜
展望台から、南国らしいタコノキなどが生茂る森の小道を10分くらい歩いて、南京浜へ行きました
昔、中国系の人が住んでいたことから、南京浜と呼ばれるようになったらしいです
ここも石と岩の小さな海岸でしたが、せっかくここまで来たんだからと思い、ちょっとだけ泳ぎました
ちょっと入っただけでも綺麗な魚たちがいたので、もっと沖まで行けばいろんな海の生き物がたくさんいそうでしたが、夕方になってきて寒かったので、早々に引き上げて、宿に帰りました
3月後半という時期でも、ウエットスーツなしでシュノーケリングをすることは可能ですが、気温が低い日や、夕方以降になると結構寒いので、体を温めることができるような衣類を準備した方がいいと思います
石次郎海岸
次の日は、歩いて石次郎海岸へ行って泳ぎました
ここは沖港の向かい側、宿から歩いて15分くらいで行ける小さな砂浜です
この日は天気があまり良くなくて寒かったけれど、せっかくだからちょっとだけ泳いで、あとはビーチでのんびりしました
この日はシュノーケリングのセットを借りなかったので、泳ぎに自信のない僕的には、泳いだり潜ったりというより、海に浸かったという程度でした
石次郎海岸
月ヶ岡神社
そのあと行ったのは月ヶ岡神社という小さな神社です
ここに母島の氏神様がいるというのでご挨拶に行きました
そこから裏の小道を下ったところに小さな鍾乳洞(清見ヶ丘鍾乳洞)があったので覗いてみました
暗くて狭いので、入るなら観光協会でヘルメットを借りてくるよう注意書きがありました
また、石次郎海岸の近くに御嶽神社という神社があったので、結構な階段を登ってご挨拶してきました
ロース記念館(小笠原村郷土資料館)
母島最終日は、12時発のははじま丸で父島に行く予定だったので、午前中に集落を散策して、ロース記念館(小笠原村郷土資料館)を訪れました
ロース石と呼ばれる石材で作られた古い建物が資料館になっていて、その内外に昔使われた生活用具類が展示されていました
それと、職員の女性がタコノ葉細工の籠編みを実演していました
時期によっては500円でタコノ葉細工体験ができるらしいです
こじんまりとしていますが、昔の写真なども展示されていて、かつての母島の姿を想像しながら過ごす時間が豊かでした
ロースとは、フレデリック・ロルフス(1823〜1898)の通称。ドイツのブレーメン生まれで、捕鯨船の船員でしたが、1869(明治2)年母島に来島し、先に住んでいたジェームス・モットレイ夫妻とともに、ここ沖村に居住しました。
小笠原諸島の日本領有後帰化し、良志羅留普(ロルフス・ラルフ)と改名しました。ロースは、モットレイ等と母島を開拓し、建材や道路作りに有用な石材を発見しました。
島民はこの石を「ロース石」と呼び、様々に利用しました。
ロース記念館パンフレットから
乳房山
母島散策の最後は乳房山でした
乳房山は、標高約463メートル、父島と母島の最高峰で、母島の集落から歩いてすぐのところに登山口があるので、母島を訪れた観光客がよく登る山です
朝一番から登っていれば出航時間に間に合ったかもしれませんが、今回は時間がなかったので、登山道を途中まで登って、居心地の良いところでのんびりして降りてきました
それだけでも小笠原以外では見られないような植物たちに囲まれて気分が良かったです
もし上まで行けば素晴らしい眺望が待っているらしいので、次回はぜひ登頂してみたいと思います
母島のお店
母島の売店は、集落の中心にある「漁協売店」、「農協売店」、そして「前田商店」の3店舗
どれも小さな商店ですが、最低限生活に必要なものは販売されていました
僕は、母島限定と書いてあるボニンブルーのギョサンを買いました
ギョサンというのは、伊豆諸島などで出回っているサンダルの一種の通称です
とても履き心地が良くて、その後も重宝しました
下記の地図では農協売店を表示していますが、漁協売店と前田商店もそのすぐ近くにありました。またその近くに郵便局があって、ATMもありました
母島の宿
今回母島で宿泊したのは、「クラフトイン・ラ・メーフ」というペンションでした
ロハスへのこだわりが感じられる木造の建物で、食事も美味しかったし、とても居心地の良い宿でした
滞在中の昼食は、ここでおにぎりやお弁当を頼みました
前日の夕食時までに注文すれば、当日の朝食後に渡してもらえます
ここを創設した方は、今は同じ母島で「ルシエル」という宿泊施設兼カフェ兼ショップをやっていました
ルシエルは、乳房山へ行く道中にあったので立ち寄りましたが、そこも建築や意匠にこだわった素敵な空間でした
宿の外観 宿の内観 朝食の例 夕食の例 夕食の例
次回やりたいこと
僕は今回初めて母島に行ってみて、とても素朴で自然あふれる母島のことが大好きになりました
どこへ行っても、特別天然記念物のハハジマメグロが可愛い姿を見せてくれました
今回は歩いて行けるところしか行かなかったけれど、母島には他にも魅力的な自然が豊富にあるようなので、今度は、ガイドツアーで島巡りをして色々説明を聞いた上で、レンタバイクでも借りて、ゆっくり島の見所を周りたいなと思います
それと、母島自主ルールによりガイドがいないと入れないエリアを歩く「石門コース」のツアー(3月から9月限定)があるということなので、それも体験してみたいです
他方、集落から歩いて行ける範囲で言うと
①1日がかりに近くなりますが、乳房山登山
②集落から往復2時間くらいの船木山の滝遊歩道
③集落から往復2時間くらいの静沢の森遊歩道
などを、のんびり歩くのも良さそうです
船木山の滝遊歩道は母島ならではの植物や動物が見られるようですし、静沢の森遊歩道には、数多くの戦跡が残っているそうです
どちらも、母島の宿や観光協会(船の待合所にある)などに置いてあるガイドマップで行き方や見所を確認できます
もし、次回母島に行くならと仮定して、ツアー多めの一つのモデルを考えてみました
到着日(14時母島到着)
島内観光ツアー(2.5〜3時間) 5000円
2日目
石門ツアー(7時間) 12000円
又は乳房山登山(6時間) フリー
ナイトツアー(2時間)4000円
3日目
好きな浜(南崎)でシュノーケリングしてレンタバイクで島巡り フリー
- 4点セットレンタル2500円
- レンタバイク8時間2500円
(スクーバダイビング(2時間)12000円又はドルフィンスイム(2時間)5000円を組み入れても良い)
4日目(12時出航)
船木山の滝遊歩道散策(2時間) フリー
前編おわりに
日本に残された数少ない楽園、小笠原へのアクセスはとても不便ですが、逆にそこに価値を見出して全てを楽しむのがおすすめ
太平洋の大海原に展開される地球の美しい景色を堪能しましょう
そして、ごく一部の人しか行かない母島、その素朴な自然と雰囲気をゆっくり感じて過ごす時間は、とても豊かで贅沢なものだと思います
ははじま丸に乗船 感動的な見送り
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